改良メダカの飼育

 メダカと言えば日本人なら誰でも知っている魚ですが、その飼育方法を説明したいと思います。


 メダカは丈夫で飼育しやすい事と、繁殖も容易に楽しめる事からたくさんの方に楽しんでいただいています。そして近年では多くの改良品種のメダカ 「改良メダカ」 が多くリリースされた事によるメダカブームを嬉しく思います。


メダカの体の作り

 体は日本の魚で最も小さいが、丈夫で健固な体を持つメダカは他の魚に比べて過酷な水温や環境でも生き抜く力があります。


 メダカの体の特徴

エラ蓋: 開閉するエラで呼吸します。


背ビレ: オスはギザギザ、メスは丸みをおびた形をしています。


尾ビレ: 大きなヒレで泳ぐのに最も重要です。


腹ビレ: バランスを保つためのヒレ。発情したオスの腹ビレは黒く変色します。


尻ビレ:交配の時、オスは大きな尻ヒレでメスを包み込みます。



 メダカのオス、メスを見分けるポイントは尻ヒレと背ビレです。

 メダカを横から見て、尾ビレと背ビレが大きくギザギザな形がオス、小さく丸みをおびた形がメスです。


繁殖のポイント オスとメスを確かめる


 繁殖を目的とする場合は、理想的なオス、メスの割合は1:2でオスよりメスを多くしたほうが産卵に相応しいです。

 最初は同じ品種のメダカを10匹くらいで繁殖に挑戦すると良いでしょう。


 メダカにもペアで合う合わないがあり、産卵が上手くいかない場合は、ペアを変えてみる手もあります。


メダカに快適な環境を作る

メダカの水の適温

 

 メダカは水温の変化に合わせて体温を変化させる変温動物です。

 水温に合わせて活発に泳いだり、水底でじっと動かなくなったりします。

 水温が0℃~40℃まで耐える事が出来ます。

 

 最も活発に活動する温度は20℃~28℃です。これがメダカの適正温度と言えます。エサを最もたくさん食べ、活発に泳ぎ回ります。

 

 水温が26℃~30℃と、12時間以上の日照時間で産卵期を迎えます。

 

 

水の管理

 

 メダカにとって飼育水は、住み場所であり、繁殖の場所であり、食事の場所であり、トイレでもあります。

 水質管理は大切です。

 冬以外の季節は、一週間に一度、全体の3分の1くらいの水を換えるのが適当でしょう。

メダカの飼育水が与える影響

メダカが健康に育つ水


 メダカの健康にとって一番大切なのは水質です。 不純物が少なく、弱酸性や強アルカリ性でない、中性に近い水質がメダカに最適と言えます。

 ミネラル分が豊富で綺麗な水で飼育すると、病気を予防し、元気に育ちます。

 井戸水や河川水も雑菌や不純物や有害生物の卵などが混じっている可能性があるので検査が必要です。


 広島ピースガーデンでは山水を使用していますが、飼育する条件ではなかなか山水を使用するのは難しいと思います。


 幸い、日本では水道水は殺菌や不純物が少なく、世界で最も綺麗な水と言えます。

 PHに関しても中性です。この水道水を使用する事が最も最適と言えます。

 水道水には塩素やカルキが含まれています。

 一日、日光に当ててカルキ抜きをしましょう。高い所から落とすように汲むことでカルキが抜けやすくなります。


水道水にミネラル分を補給


 水道水は浄化によってメダカに適したミネラル分が少ない欠点があります。

 その為、入れる前に岩塩の粉末やミネラル添加材を少量入れることがコツです。 塩分濃度0.5%の飼育水が最適です。


 

底砂を入れる


 底砂を敷くメリット


 飼育容器に砂を敷くことで、「ろ過細菌」というバクテリアが繁殖し、メダカの飼育水の汚れを分解してくれます。

 底砂を入れることで、自然のサイクル (バランスドアクアリウム) という生態系ができるのです。



 砂の選び方


 メダカは、びっくりした時などに砂に潜ろうとする性質を持っています。

 角がある砂利はメダカの体を傷つけ、その傷から病気になることがあるので、

なるべく丸い石が良いでしょう。


 メダカは保護色機能を持っていて、周りの環境の色に体色を合わせようとします。 これは外敵から身を守り本能です。

 改良メダカの場合、なるべく黒に近い砂を選ぶことで体の色彩を鮮やかに魅せることが出来ます。


 ですが、真夏の炎天下に、真っ黒の砂の飼育容器は水温がかなり高温になるので注意が必要です。


 

改良メダカ 餌の与え方


 良質な餌を選ぶ 


 健康で色鮮やかなメダカを育てる為には、大切な栄養素のある餌を適量与える必要があります。

 

 メダカは動物のように胃袋を持ちません。餌の食べ過ぎは消化不良を起こし、病気になったりすることがあります。

 餌の与え過ぎは、残り餌で水質を汚すこともあります。メダカの死因は実は餌の与え過ぎが最も多いのです。


 なので、栄養価の高い餌を少量、与えることが大切です。


 改良メダカの色を綺麗に出したり、たくさん繁殖させる為には栄養を豊富に与えるのが良いですが、餌の量を増やすのではなく、1日に与える回数を増やしましょう。


 ピースガーデンでは、活性の多い季節では、1日4回に分けて給餌をしています。


 ご家庭では、なかなか難しいと思いますので、なるべく少量を回数に分けて与えましょう。


 最後の給餌は、遅くても日没前2時間前までにしましょう。日没直前に餌を食べると、消化不良を起こしてしまう事があります。

改良メダカを育てるポイント

 強い流れを作らない


 川に居るイメージのメダカですが、自然のメダカは池や田んぼ、などの水流のない場所で生息しています。


 流れの強い場所は苦手でストレスを与えます。できるだけ水流のない飼育ケースで飼いましょう。


 モーターを使って動かすポンプなどを使う場合は、水の給水口を壁側に向けたり、石や流木に当てて拡散させましょう。



 メダカのサイズが違いすぎる場合は分けてあげる


 メダカ成長は、個人差が大きく、サイズがまったく違ってきます。その場合は小さなメダカが餌にたどり着けなかったり、いじめられたりすることがあります。


 一つの飼育ケースで飼う場合は、サイズ別に分けてあげましょう。


 おとなしいイメージのメダカですが、繁殖期になるとオス同士がケンカしたり、乱暴に泳ぐメダカもいます。


 そんな時は、その個体を入れ替えて対応しましょう。 たくさんメダカの数を詰め過ぎるのはやめましょう。



 適正なメダカの数


 メダカの飼育ケースに対して、過密な状態で飼育すると、メダカの成長が遅くなる事と、水質が汚れやすくなったり酸欠を及ぼすことがあります。


 飼育ケースの水の量に対し、メダカの数は 1ℓ あたり 1匹 が目安です。


 最初は、大きめの飼育ケースで始めるほうが良いでしょう。大きな飼育ケースは水の量も多く、水質維持が容易です。