メダカの遺伝 メンデルの法則

改良メダカは日本の野生のメダカの中で突然変異を人間が交配を重ねて作ったメダカです。

今、空前のメダカブームと言われていますが、その輝かしいメダカ達は長い歴史の道をたどっ現在に至っているのです。

突然変異で生まれた特殊な体色や身体的な特徴のメダカを選別し交配することでその個体の特徴を固定化して完成するのが改良メダカです。

ヒメダカから始まった改良メダカの歴史は、白メダカ、青メダカと流れ、これ以降に幹之、透明鱗、対外光、ラメ、ヒレ無しなど様々な魅力ある特徴を世に出してきました。

今では、ヒレ長やヒレ光がブームとなっています。

それでは、その改良による新種を作る為のワンランク上の話をします。

突然変異によって改良品種が出るのはわかりました。しかしその個体を交配させてもほとんどの場合、子供にはその親の特徴は出ません。

まず説明しておきたいのは、子供はF1、その子供はF2、つまり孫です。F2同士の子供がF3、そしてF4と表現されます。

そしてここからがポイントです。

メダカの改良で最も大切な知識は「メンデルの法則」です。

 

メンデルの法則

メンデルで有名なのは「メンデルの豆実験」です。メンデルは先祖代々丸くて黄色の豆を作るものと、シワがあって緑の豆を作るものを受粉させて実験しました。

ややシワの黄緑の子が生れるのか?丸黄豆とシワ緑豆が半分半分に生れるのか?試してみたら、あれ!?その豆は全部丸くて黄色い豆が生れました。

 

この結果で分かった事はシワと緑の遺伝子は無くなって消えたように思えます。ですがそこで生まれた豆同士で受粉させて生れた子は、あれあれ?!丸黄豆が大半だったのですが丸緑や

シワ黄色が少し、それに無くなったのではないかと思っていたシワ緑もほんの少しですが生れてきたのです。

そこでメンデルは分かったのです。1回目の受粉で丸黄豆になったけどシワや緑の遺伝子を持っているから孫に出たのだと。さらに分かったのは子は片方からシワと緑をもらい、シワより丸、

緑より黄色が強いから子は全て丸黄色になった。つまり遺伝には強いものと弱いものがあって強いほうの特徴が出るという「優性の法則」を見つけたのです。

これを説明すると強いものを「優性」弱いものを「劣性」といいます。

昔、ろくな顕微鏡もない時代にそんなことに気がつくメンデルはすごいなと思いますね。日本ではまだチョンマゲをしていた時代です。

 

 

メダカの遺伝もこのメンデルの法則が大いに関係しています。

突然変異で出た珍しい特徴、たとえばヒレ長と他の体色のノーマル個体を交配させたとします。その子供のF1にはヒレ長の特徴が出ません。ヒレ長の遺伝子は劣性だからです。

その特徴が少しずつでるのは孫であるF2世代からです。特徴の出たF2同士を掛け合わせてF3、F4、F5と何代もの交配によって固定化します。

改良メダカの魅力は親の特徴が子供にも100%に近い確率で出ることが大切です。つまり固定率の高さが重要なのです。

固定率の高い最高のメダカを作る為にブリーダーは日々努力を重ねています。

 

新種のメダカを作ることもメダカ飼育の楽しみの一つにしてみてはどんなでしょうか。

 

新種のメダカを作り、その個体を固定化に成功したら、メダカ業界のビックニュースになるでしょう。