メダカに最適な環境を作る㊙テクニック

メダカにとって最適な環境とはどんな環境なのでしょうか?

それを紐解くには野生のメダカが生息している環境から考えてみましょう。

「メダカの学校」の歌にあるように野生のメダカは川の中を泳いでいるイメージを持っている方も多いと思います。

ですが、実際のメダカは田んぼや用水路などの水の流れのない穏やかで天敵のいない場所に棲んでいます。メダカは水流が苦手なのです。

水温変化のない広い場所を好み、水草など隠れる場所があって日当たりがよくプランクトンなどのエサが豊富な場所が大好きなのです。

ビオトープを作る場合は、これを頭に入れてなるべく広くて深い飼育容器で屋外飼育ではエアレーションは無しでもよいでしょう。

屋内飼育では弱めのエアレーションを入れましょう。

 

流木や水草を入れると夏の炎天下や冬の厳しい寒さの時に隠れる場所ができてストレスを和らげることができます。エサも一度に大量を与えるのではなく、少量多給餌といって少量のエサを何度かに分けて与えるほうが良いです。

メダカは胃がないので、一度に大量のエサを食べると消化不良を起こしてしまいます。

残りエサが水質を汚してしまう原因にもなります。

田んぼでプランクトンを少しずつ食べるイメージを想像してください。メダカは光の魚と言われるほど太陽の光が大切です。太陽の光を浴びることで病気になりにくく成長も早く強い個体になります。

あと一番大切なのは水質です。

メダカを飼うのに適した水は水道水、井戸水、河川の水といろいろありますが、結論から言うと水道水で充分です。日本の水道水は細菌や不純物が少ない世界で最もきれいな水と言われています。PHもメダカに最適な6.5から7.5の中性です。

河川の水のようにミネラル分は無いのですが河川の水も有害物の卵があったりデメリットも多いです。

日なたで1日汲み置きをしてカルキ抜きをした水道水を使用しましょう。強めのエアレーションをかけると早くカルキを抜くことができます。

 

ここから大切なことを言います。よく聞いてくださいね。

先ほど水道水には河川の水ほどのミネラル分がないと言いましたが、実はミネラル分がメダカの成長には大切です。メダカがミネラル不足にならないように飼育容器の立ち上げ時に栄養分の高い岩塩や人工海水塩を塩分濃度0.3~0.5%になるように入れましょう。

ミネラル分の補給だけではなく塩分濃度が変わり浸透圧が変わります。浸透圧調整機能を手助けしてエネルギーの回復と新陳代謝を活性化させてくれます。病気の予防にもつながります。

岩塩を入れる量は0.3~0.5%です。つまり1リットルにつき3~5gになります。メダカは2%、1リットルにつき20gの岩塩を入れても生きていく魚なのですが、これはさすがに濾過バクテリアなどが死んでしまいメダカの糞尿を分解してくれなく水質が不安定になり、リスクが高くなります。

田んぼの多少濁った泥水でもメダカは栄養豊富でスクスク育っていく強い魚なのですが「良い飼育水」とは各種バクテリアが繁殖してアンモニアを分解してくれて水質安定した中性に近い水質となります。

「メダカの飼育に大切なバクテリア」の記事は別でアップしています。

 

逆に「悪い飼育水」とはエサの残りによるタンパク質やメダカの糞によってのアンモニアで毒性の強い水と言うことです。

 

そのためには定期的な水替えを行い良い飼育水の状態をキープしましょう。大きな飼育容器は汚れるペースが遅くなりますし、小さな飼育容器では汚れるペースは速くなります。基本はメダカ1匹に対して水1リットルが良いです。また大きめな睡蓮鉢で野外飼育していれば雨が降りこみ自然に水替えができてしまうということです。

 

水替えの注意ポイントは、一気に飼育水を全部変えないことです。水温合わせをして、3分の2ずつ位の水替えをお勧めします。大量の水替えば急激な水質変化によるリスクがあります。

 

野生のメダカの生息している環境を考えてしっかりした栄養素、適度な酸素、良い水で飼育ということを大切に皆さんもメダカセラピーを楽しんでください。