メダカの体外光を伸ばす方法

体外光を伸ばす方法を日本一わかりやすく説明します。

 

 

メダカの背中にきらびやかに煌く一筋の光、これを体外光といいます。

幹之に由来する背中の金属光沢のことを指します。

体外光はメダカの虹色素胞が、グアニンという物質を規則的に並べた構造をしていて、それが光を反射することで金属光沢を出しています。

今では体外光のバリエーションもたくさんありメダカブームを牽引するムーブメントとなっています。

 

体外光はすべて幹之という血統から由来しています。元祖は幹之メダカです。幹之とい品種は2008年に誕生して何代もの累代によって現代では

口先までブルーに輝く体外光(フルボディ)というレベルの幹之がほとんどになってきました。

そして固定率も高くなってきました。

 

体外光を伸ばす方法のお話をさせていただきます。

 

体外光が伸びた個体をたくさん採る為に一番大切な事はやはり「遺伝」です。フルボディのレベルまで体外光が早く出た個体を選別して親個体にして累代していくことで、

その子供たちがほぼフルボディもしくはそれに近いレベルになります。

 

要するに体外光の強い親を選別して子供を採る事が結果的に体外光を伸ばす方法なのですが、その中でもより体外光を伸ばす「素質」を引き出す方法をお話しします。

 

今まで長い間、体外光を伸ばすためには稚魚の頃から黒や濃い色の飼育容器で成長させていくことが勧められていました。

ですが最近は体外光やヒレ光やヒレ長などのヒレの伸長などの特徴を引き出すためには、

透明飼育容器や白飼育容器で育てたほうが良いという研究結果が出ました。

 

体外光が伸びるのはメダカのグアニンと虹色素胞が成長することでおこります。そのグアニンと虹色素胞の成長を黒色素胞が妨げてしまうということが分かりました。

黒色素胞を多く持つと体外光やヒレを伸ばす事に悪影響があるということです。

メダカは保護色機能がある為、黒色や色の濃い飼育容器で飼育することで黒色素胞が多くなってしまいます。

成長の過程で黒色素胞をなるべく持たない事が大切なので、透明飼育容器や白飼育容器で飼育して体外光を伸ばしていくという事です。

メダカの保護色機能を使って体外光を伸ばしたいメダカの成長期を透明容器や白容器で意図的に表現していく方法が現代では主流になっています。

 

透明容器や白容器のほうが良い理由はもう一つあります。

太陽の光をしっかりと浴びることができるという事です。

特に透明容器は上からだけでなく前後左右から太陽光を浴びることができます。

人間の部屋で例えたら、黒容器は真っ黒の壁に囲まれて毎日生活しているような感じです。それにくらべて透明容器はサンルームのように窓に囲まれた明るい部屋です。

白容器も黒容器に比べて飼育容器自体が光を反射してメダカが太陽光しっかり浴びることができます。

 

メダカは太陽光をしっかりと浴びることでグアニンが成長して体外光が伸びてきます。

 

 

そして二つ目に体外光の伸ばし方として成長期に高水温を維持して育てることです。

 

水温が高いほうが細胞分裂が盛んになりグアニンも成長して体外光はしっかり伸びてきます。

 

水温28℃~30℃が一番体外光がよく伸びます。なので梅雨以降から真夏の時期に成長期を迎えたメダカは体外光がしっかりと伸びています。

 

 

 

 

成長期に高水温を維持する方法はこの3つです。

 

1.初夏から真夏の水温が高い時期に集中してたくさんの稚魚を育てる

2.体外光の品種はとくに日当たりが良い場所で育てる

3. 春先に成長期を迎える場合は加温飼育

 

 

 

そして、もうひとつ成長期にわずかですが飼育容器に対してメダカの数を増やして過密気味で育てることで体外光に関しては伸びます。

たくさんの過密飼育は危険でリスクがありすぎますので、あくまでもわずかな過密気味の飼育です。

 

その理由はメダカの成長が早すぎると体長の成長にグアニンの成長が追い付かずに体外光が伸びないからです。

過密気味でゆっくりと育てたほうが体外光は伸びやすいです。

 

 

以上のように育てて体外光をしっかりと伸ばして、2~3カ月ほどたったメダカを成魚に育てて黒容器や色の濃い容器に移して、

保護色機能で体色を鮮やかに綺麗に仕上げていきます。

稚魚から若魚までの成長過程を透明容器で育て、成魚になったら黒容器で育てるという方法が今のトレンドとなっています。

 

現代は多くの品種に体外光が乗っている時代になりました。

発色やバリエーションもとても豊かです。

 

そして、体外光を伸ばす飼育技術が、ブリーダーの腕の見せ所です。

 

今回は体外光を伸ばす方法をお話しさせていただきました。

 

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